巻き爪の痛みはなぜ起こる?原因と対策、今日からできるセルフケアを紹介!

巻き爪は、爪が内側に丸まり、皮膚に食い込むことで強い痛みを引き起こします。歩くたびに指先へ圧力がかかるため、日常生活に大きな負担が生じる方も少なくありません。

本記事では、巻き爪の痛みがなぜ起こるのかを解説し、今日から実践できるセルフケア方法を紹介します。巻き爪にお悩みの方は参考にしてください。

巻き爪とは?

巻き爪とは、爪の両端または片側が内側に巻き込むように湾曲し、皮膚に食い込むことです。

マルホ株式会社によるアンケート調査によると、18歳以上の男女58,101名を対象とした調査で、足の親指に「軽度以上の湾曲」があると自覚している方の割合は約29%に上り、巻き爪を自覚している方のうち約34%に「痛み」の症状があると回答していました。

食い込みによって皮膚が圧迫されると炎症が起き、ズキズキとした痛みにつながります。また、炎症が進むと皮膚の神経が刺激されやすくなり、歩行や靴が当たっただけでも痛みが強くなります。

巻き爪の原因は?

巻き爪は、次のような生活習慣や環境によって悪化しやすくなります。
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。

  • 誤った爪の切り方をしている
  • 窮屈な靴を履いている
  • 歩き方のクセ
  • 爪の乾燥
  • 遺伝や爪の形

誤った爪の切り方をしている

爪の角を短く切り落としてしまうと、伸びる過程で爪が皮膚の内側へ入り込みやすくなります。
とくに爪先を丸く整える切り方は、爪の端が支えを失うため、成長方向が内側へ向きやすく、結果として食い込みや痛みを引き起こします。

窮屈な靴を履いている

幅が狭い靴やヒール靴、つま先が細く締め付けられるデザインの靴は、指先に強い圧力をかけ、爪を内側へ巻き込む方向へ力を加えます。
とくに長時間履き続ける場合、靴の圧迫によって皮膚と爪の距離が縮まり、巻き爪が進行しやすくなります。

つま先に負担をかける歩き方をしている

かかとから接地せずにつま先や足全体で着地する歩き方は、指先へ過剰な圧力が加わり、爪が皮膚に食い込みやすくなります。
本来の歩行では「かかと→足裏全体→つま先」と体重移動が行われますが、この流れが乱れると爪に負荷が偏る原因となります。

爪が乾燥している

爪が乾燥すると水分量が減り、弾力が不足して丸まりやすくなります。
季節による乾燥だけでなく、体質・加齢・頻繁な消毒や洗浄なども爪を乾燥させる原因です。とくに冬場や水仕事が多い方は、気づかないうちに爪が硬く縮み、巻き爪の進行につながることがあります。

遺伝による爪の形

巻き爪は生活習慣だけでなく、生まれつきの爪の形が影響する場合もあります。
例えば、もともと横幅が狭く縦に長い爪やカーブが強い爪などは、爪が内側に丸まりやすく、巻き爪になりやすい傾向があります。

巻き爪が引き起こしやすいトラブル

巻き爪は痛みだけでなく、日常生活の動作にも影響を及ぼすことがあります。
ここでは、巻き爪によって起こりやすい代表的なトラブルを紹介します。

  • 歩行時の痛み
  • 二次的な炎症・化膿
  • 靴が履きにくい

歩行時の痛み

巻き爪は、爪の端が皮膚に食い込むため、歩行時に指先に圧力が加わると痛みが生じます。地面を蹴り出す動きや、つま先で体を支える場面で痛みが強まりやすくなる点が特徴です。

巻き爪の状態が進行しているほど、軽い刺激でも痛みにつながり、普段どおりの歩行が難しくなります。

二次的な炎症・化膿

巻き爪を放置すると皮膚への刺激が繰り返され、赤みや腫れが起こります。炎症が続くと皮膚に小さな傷ができ、そこから雑菌が入り込んで化膿へと進行します。

膿がにじんだり、歩くたびに激しい痛みが走るようになると、セルフケアだけでは改善しにくい段階です。巻き爪は進行すると生活に大きな支障をきたすため、早い段階で適切な対処を行いましょう。

靴が履きにくい

巻き爪があると靴を履くときに指先へ強い圧力がかかり、食い込んだ爪による痛みが生じます。この痛みによって靴を履くために足を前へ押し出す動作がしにくく、足がうまく入らなくなるのです。

靴そのものは以前と同じでも、巻き爪によって指先が敏感になるため、靴を履くという動作を難しく感じるようになります。

今日からできる巻き爪のセルフケア

巻き爪は、日々の習慣やちょっとしたケアの工夫で悪化を防げることがあります。
ここでは、今日から取り入れられる基本的なセルフケア方法を紹介します。

  • 巻き爪を悪化させない爪の切り方
  • 痛みを軽減するためのテーピング
  • 患部を清潔に保つ
  • 巻き爪を悪化させない歩き方

巻き爪を悪化させない爪の切り方

巻き爪を悪化させないために、爪の切り方を見直しましょう。とくに深爪は巻き爪の原因になりやすいため、注意が必要です。また、爪の角を短く切り落としてしまうと、伸びる過程で爪が皮膚の内側へ入り込みやすくなります。

爪の角を残したまま四角い形に整える「スクエアオフ」という切り方をすると、爪の端が食い込みにくくなり、巻き爪予防になります。

痛みを軽減するためのテーピング

巻き爪の痛みが強いときは、爪を皮膚に食い込ませないために、爪と皮膚の距離を広げることが重要です。そのために有効な方法のひとつがテーピングです。

指の側面にテープを貼り、皮膚を外側に軽く引くように固定すると、爪が皮膚に当たる角度が変わり、食い込みによる刺激が和らぎます。力を入れて引っ張る必要はなく、ほんの少し角度を調整するだけでも痛みが軽減されることがあります。貼る位置は、巻き込んでいる側の皮膚の外側で、優しく引くことを意識しましょう。

患部を清潔に保つ

巻き爪による炎症は、汚れや汗による刺激で悪化することがあります。そのため、爪の周囲をやさしく洗って清潔に保つことは、炎症が広がるのを防ぐために欠かせません。

入浴時には石けんをよく泡立て、強くこすらずに洗いましょう。洗ったあとは水分を残さないようにやさしく拭きとります。

ただし、赤みが強かったり、膿が出ていたりする場合は、清潔に保つだけでは改善が難しい場合があります。この段階では炎症が進み、細菌感染を起こしている可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。

巻き爪を悪化させない歩き方

つま先に負担がかかる歩き方をしていると、指先に強い圧力が加わり、爪が食い込みやすくなります。
歩くときは「踵で軽く着地→足裏全体へ重心を移す→足の指で自然に地面を押し出す」という流れを意識すると、指先に過剰な力が入りにくくなります。踏み込みすぎず、軽く押し出す程度で十分です。

また、歩幅が小さい歩き方もつま先で地面をつかむような動きが増えてしまうため、指先への圧力を強める原因のひとつです。無理に歩幅を広げる必要はありませんが、自然に前へ進めるほどの歩幅を保つことで、指先の負担を軽減できます。

まとめ|巻き爪を悪化させないために

巻き爪の痛みは、爪が皮膚に食い込むことで炎症や圧迫が生じることが原因です。

セルフケアによって痛みは軽減や再発の予防にもつながりますが、痛みが強い・腫れが続くなどの症状がある場合は、早めに受診しましょう。

医療機関や巻き爪矯正を扱う専門院では、ワイヤー矯正やプレート矯正、切らないタイプの矯正具(ツメフラなど)といった、幅広い方法から症状に合ったケアを提案してもらえることがあります。

自分に合った方法を知ることで痛みの軽減につながり、再発予防にも役立ちます。気になる症状があれば、早めにご相談ください。